腸内細菌のバランスを整える
腸内環境を改善するには、腸内の善玉菌を増やすことが必要です。腸内には約100兆個の腸内細菌がいるといわれており、善玉菌・悪玉菌・日和見菌に大別されます。
腸内細菌でもっとも大きな割合をしめるのが日和見菌です。
日和見菌は別名、中間菌とも呼ばれており、バクテロイデスなどがその代表です。ふだんは特に害のない腸内細菌ですが、悪玉菌が増殖すると悪玉菌の味方になり、一緒にカラダにとって有害な働きをしはじめます。
悪玉菌に気をつける
腸内細菌のなかでその割合が増え過ぎないように気をつけるべきなのが、悪玉菌です。
悪玉菌は、ウェルシュ菌や大腸菌(有毒株)などのことをいいます。悪玉菌は、消化しきれずに大腸に届いたタンパク質を腐敗させて有害物質をつくりだします。
アミンやアンモニア、インドールやスカトール、フェノールや硫化水素などの有害物質が悪玉菌によってつくられて、腸内環境を悪化させます。それによって便秘や下痢、体臭や口臭、肌トラブルなどが引き起こされます。
善玉菌を増やすことが大切
腸内細菌のなかで増やしたほうがよいのが善玉菌です。
善玉菌にはおもにビフィズス菌と乳酸菌があります。ビフィズス菌はビフィドバクテリウム属に属する細菌の総称で、ビフィダム・ロンガム・アニマリスなどの菌種が存在し、Y字やV字の形をしています。
乳酸菌にはラクトバチルス・ラクトコッカス・エンテロコッカスなどがあり、棒状や球状の形をしています。
善玉菌のほとんどはビフィズス菌で、その割合は99.9%以上と考えられています。ビフィズス菌は糖を分解して乳酸と酢酸を、そしてビタミンB群を産生します。乳酸菌は乳酸を産生します。
これらの酸が悪玉菌の増殖を抑えたり、腸を刺激してぜんどう運動を促進したりすることで整腸効果があらわれ、腸内環境が良好になります。乳酸菌サプリが便秘解消に良いと考えられているのはそのためです。
腸内環境と免疫
また善玉菌は、全身の約70%が集まっているとされる腸内の免疫系に働きかけます。免疫細胞を刺激して、その働きを活性化することで、風邪やインフルエンザ、花粉症などの症状がやわらぐ可能性があります。
また、最近ではある種の善玉菌を摂取することで、崩れていた免疫系のバランスが整えられて、アレルギーが抑えられる可能性があるという研究結果も出ています。
腸内細菌のバランス、つまり善玉菌と悪玉菌のバランスを整えることで、腸内環境が良くなったり、それにともなって整腸作用や免疫力の向上などがあらわれたりします。腸内環境を整えることはとても大事なのです。