ガス腹を解消する方法
腸内環境が悪化すると、お腹にガスが溜まるガス腹の状態になることもあります。
ガス腹の原因はおもに「悪玉菌のつくるガスが増えること」「飲みこむ空気の量が多いこと」の2つです。
腸内環境が悪化して悪玉菌が増殖すると、腸内で発生するガスが増えます。「おならの臭いの原因と対策」でも説明したとおり、ウェルシュ菌などの悪玉菌は、未消化のタンパク質を腐敗させます。
それによってアンモニアや硫化水素などの有害物質(ガス)が発生して、腸内に溜まります。肉類の摂取が増えたり、生活習慣が乱れたりするとガス腹になりやすくなるのです。
また、空気の飲みこみ過ぎも原因のひとつです。おならの成分の大部分は空気です。それは、食事のときに食べ物と一緒に飲みこんでしまったものがほとんど。つまり、食べ方しだいでガス腹は解消できるのです。
基本的には、ゆっくり食べ物を噛んで、時間をかけて食べることが大事です。早食いをしてしまうと、どうしても一緒に飲みこんでしまう空気の量が増えるので、お腹にガスが溜まりやすくなります。
また、緊張したときなどにツバを飲みこむ動作をすることがあると思いますが、そのときに一緒に空気を飲みこんでしまっているというケースもあります。これを「呑気症」といいます。
ストレスを強く感じたときなどにも同じようなことが起きますが、なぜ唾液が口のなかに増えてしまうかというと、緊張したときに歯を食いしばってしまうからです。
咀嚼することで唾液が分泌されるように、ストレスを受けたときなどに歯を強く噛むと、食べ物はなくても唾液の分泌量が増えます。それを飲みこむときに、一緒に空気も飲みこんでしまうというわけです。
また、ストレスは腸の動きも低下させます。ストレスによって自律神経が乱れて、自律神経のうち副交感神経が支配している腸のぜんどう運動がきちんと機能せず、ガスを排出しにくくなります。
反対に過活動ぎみになり下痢になったり、まったく動かないことでガスが溜まるだけでなく便秘になることもあります。
便秘になると悪玉菌が増殖して腸内環境が悪化して、さらにガス腹になりやすくなってしまうという悪循環におちいる可能性もあります。そのため、ストレス解消は非常に重要です。
食事のときにゆっくり咀嚼して味わって食べること、緊張したときに歯を食いしばらないようにすること、なるべくストレスを発散すること、腸内環境を意識することがガス腹の解消には大事です。
食べ物の内容、食事のとり方、ストレスの緩和など、生活習慣や普段の行動を意識して、お腹にガスが溜まるのを防ぎましょう。